グアムを選んで大正解!

 福岡県三井郡北野町の「グアム交流会」は、2004年1月16日−1月19日の3泊4日の日程で、参加人数16人でグアムを訪れ、グアムの自然体験と現地イナラハン村の子供達との交流会を行った。「グアム交流会」の発足について、代表の内田孝一氏は、「以前グアム旅行に行ったとき現地の人々がふるまってくれたバーベキューが美味しく、その味が忘れられずに、タレを教えて欲しいと、再びグアムに行ったことに始まる。チャモロの人々が、親切に教えてくれて、個人的にチャモロの人々と知り合うことになった。そこで、“チャモロの文化を地元で紹介できないか”と考えたのが発足のきっかけ」と説明する。地元のお祭りにグアムの子供達を招待するなど、草の根の交流を続け、今年で活動は7年目となる。
 以前、イナラハン村の子供達を日本に招待した際に、地元の朝市に連れて行き、その朝市のメンバーがホストファミリーとなった。今回の旅行は、ホストファミリーとなった朝市のメンバーが、イナラハン村の子供達に再会しに行くことが目的となっている。また、今回のツアーでは、グアムの自然を体験することも組み込まれていた。ここでは、「グアム交流会」の行った、自然体験とイナラハン村の子供達との交流会をレポートする。

リティディアンポイント

 今回のツアーでは、初日の16日にジ
ョニア村にある金曜市場でチャモロ生活体験(夕食でチャモロ料理にトライ)、2日目にグアム南部の観光を行うなど、チャモロ文化、グアムの自然を学ぶコースとなっているが、そのハイライトとなったのが3日目のアメリカ政府国立野生動物保護地区「リティディアンポイント」の訪問だ。
 リティディアンポイントでは、自然体験と動物環境問題青空体験授業が行われ、エミリー監視官からレクチャーが行われた。レクチャーのテーマは「グアムの鳥」。過去実際にグアム島に存在していた鳥たちの写真をホワイトボードで説明。グアム島への交通機関のアクセスが増え、色々な商業が盛んになる反面、問題も起きている。グアム島には、かつては様々な種類の鳥類が存在したが、飛行機や船に紛れ込んだ外敵「ブラウンツリースネーク」という蛇が、天敵がほとんどいなかったために、島中の鳥類を駆逐する勢いで大繁殖し、少しずつグアム島の自然を脅かしているという。ツアーでは、長年グアム島に存在してきた動物や植物が、絶滅の危機にさらされていることを学び、これらの動植物の生存できる環境のサイクルを取り戻すためにリティディアンポイントでは、色々な思考し、本来のグアム島を取り戻せるように日夜、再現に取り組んでいることを知り、グアムの環境問題について学習している。

タオタオモナの伝説

 レクチャーの後は、実際にジャングルや洞穴にて探索し、“見たことがない”をたくさん発見した。一行は、約500年前に住んでいた古代チャモロ人の痕跡を訪れる。現地では、そこには古代チャモロ人の魂が今も宿ると信じられ、その土地には無断で入り込むことができない。ツアーでは、エミリー監視官がチャモロ語で魂達に話しかけて許可をもらった。ちなみに無断でこの土地に入り込んだ場合、チャモロの迷信では呪われるそうだ。タオタオモナ(大昔の人)森の精霊とも言われていて、木を切り倒したり、焼き払ったりすると精霊のたたりを受けることになる。もし理由のわからない発疹がでたら、それはタオタオモナのしわざと考えられることをツアー参加者は学んだ。

ノニは万能薬

 また、探索したポイントには、先祖から伝わるノニの木が育っていた。ノニとは学名を「モリンダ・シトリフォリア」というアカネ科の植物で、主に赤道付近の熱帯地方に群生する熱帯植物。その実は基本的にフルーツだが各種ビタミンやミネラルなど約140種類以上もの栄養素を持った強力なハーブフルーツ。ツアーでは、「ハーブの女王」「神からの贈り物」と呼ばれ、2000年以上昔から現地の人々のあいだで健康維持のためのハーブとして珍重されてきたことをレクチャーされた。
 なお、ノニは高血圧、糖尿病、ガンなどの生活習慣病から、肝炎、アトピー、リウマチ、うつ病などの心の病気に至るまで、万病に効果があると現在各方面で最も注目されているフルーツ。インドネシアやハワイなどではノニは長い間、傷や火傷に効く外用剤として、また、糖尿病や高血圧症に効く内服液としても利用されてきた。最近の西洋医学の研究により、ノニには血管を広げて血圧を下げるスコポレチンといった成分が含まれていることが明らかになり、血液をさらさらにするとも言われている。そのほかにも、睡眠や心の安定をはかる脳内物質のセロトニンの分泌を整え、不眠症やうつ病を改善する効果もあることがわかっている。ノニの育成には水はけのよい土壌が必要で特に火山質や珊瑚化石からなる地質が最適とされている。

現地での交流会

 リティディアンポイントを訪れた後、ツアー一行はイナラハン村を訪れ、ツアーに参加したホストファミリーと、現地の子供達や関係者などを交えてゲフパゴ・イナラハンチャモロ文化村にてさよならチャモロパーティーを行った。初めての本格派チャモロ料理が振る舞われ、子供達によるチャモロダンスの披露があった。久々の子供達との再会と子供達の素晴らしい文化紹介に参加者は感動した。日本側からはお礼に、福岡の民謡、炭坑節の踊りを披露。オープン参加で踊り交流会になってしまった。パーティーが終わった後では、感情が高まり、涙を隠しきれない情態となった。
 内田氏によると、「今回のツアー参加者はこれまで、海外旅行を何度も経験しているが、今回のような交流という形での訪問は初めてで、良い経験となった」との感想が集まっている。グアムの文化や大自然、歴史は、学生など低年齢層に拘らず、高年齢層の方々にも十分通用する旅行素材であることの証明となったといえるだろう。内田氏は、「草の根の交流を今後も続けていきたい。また、今回のツアーで環境問題について考えさせられ、今後グアム交流会で何らかの形で協力できたらよい」と語っている。





 日本修学旅行協会によると、「海外修学旅行の旅行日数は、公立校に関しては日数に制限があり、私立についても日数を短縮する傾向にある」とされ、短い日程でいかに効率よく、かつ内容の充実した旅行を行うかが求められているのが教育旅行・修学旅行の現状といえる。これに対して、日本から直行便で約3時間半で行くことができ、往復に要する時間が短いため、3b4泊の短い日程でも十分な活動時間を確保できるグアムは、需要にあったデスティネーションといえる。また、全国8都市からフライトが利用できるため地方からの利便性が良いこと、日本とグアムの時差がわずか1時間で、生徒に与える身体的負担も小さく、到着日から活動できることなど、短い日程でも無理のない日程を組めることもポイントとなる。ちなみに、日本修学旅行協会によると、中学・高等学校による2002年度の海外修学旅行の旅行日数は、中学校が平均7.8日(00年度比0.3日減)、高等学校が平均5.9日(同0.8日減)、全体平均では6.1日(同0.7日減)となっており、グアムは十分需要に応えられるデスティネーションといえる。
 また、短い日程でも充実した旅行を行えることで、費用面を比較的安く抑えることができる。景気が低迷するなかで、保護者の費用負担を軽減することも求められているのが、教育旅行・修学旅行マーケットの現状。そのため、費用面は重要なポイントとなる。グアム政府観光局によると、2000年度にグアムで修学旅行を実施した学校の平均旅費は10万3000円で、最低額は7万5000円。日本修学旅行協会によると、2002年度の旅行費用総額(1人当たり平均額)は、中学校が20万9927円、高等学校が15万883円、全体平均では15万4398円となり、前年度に比べ10.4%低価格化している。グアムに修学旅行を誘致する際には、グアムが保護者の負担を軽くすることのできるデスティネーションであることを強調するべきだ。
 修学旅行の実施時期を決める際、「気候の良さ」は、グアムの利点。海外修学旅行の実施時期は、10月b11月に集中しているものの、入学試験や学校行事との兼ね合いで決められている。一方、グアムの気候は海洋性亜熱帯気候で、平均気温は27℃、年間を通じて温度変化が少なく、1年中が旅行のベストシーズンといえる。このため、学校側の都合の良い時期に、旅行を行うことができる。
 子供を送り出す親として、また預かる側の学校としては、旅行先が安全であることは、大切なポイントだ。グアムが、アメリカの準州として、政体が安定していること、法制度が確立していること、またホテルロードには交番が設置され、宿泊施設もセキュリティ態勢を整えていることは、重要なポイントだ。また、衛生面の良さおよび医療面の充実も強調したい。

教育的なソフトの充実が必要

 グアムでの修学旅行を始めとする教育旅行について、教育旅行先として、グアムの知名度はまだまだこれからの状況といえるだろう。「教育を司る公官庁や各自治体、各学校にとっては、グアム=レジャーアイランドとしか見ていない現状が、大きな障害となっている」とされている。このため、グアムには、レジャーアイランド以上に教育的な要素が豊富であることをアピールし、業界全体でこの状況を変えなければいけないのではないだろうか。
 そのためには、グアム島の3500年の歴史などをテーマとした教育的なソフトを充実させる必要がある。また、現在に至るまで、ビーチリゾート、健康、スポーツ、ショッピングといったイメージの露出は続けてきたが、今後はグアム本来の魅力を見直し、教育的な要素を前面に出していくことが有益ではないだろうか。
 また、現地の高校生や大学生は、多くの日本企業がグアムに投資しており、将来彼らは何らかの形で日本と関わる機会が多いため、日本の文化に興味を持っており、交流を希望している。このため、若者同士の交流の場を作っていくことも重要となってくるだろう。